役に立つとは~相模原障害者殺傷事件から6ヶ月

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役に立つとは~相模原障害者殺傷事件から6ヶ月



1月26日、NHK静岡の「たっぷり静岡」出7分ほど、今、浜松市の中心市街地で行っている「表現未満、実験室」を特集として放映していただいた。
この日は、ちょうど相模原障害者殺傷事件から6ヶ月目となるそうだ。
特集の中でもこの事件のことから話が展開された。
「「障害者は生きている意味がない」という言葉に対抗するような活動をしている」と紹介された。

この事件でも犠牲になったのは、重度の知的障害者だ。
障害者の中でもいろいろあって、体だけが不自由な人、知的障害も軽度の人、感じ方が少し違っている人などさまざまだ。
今の時代、そうした人たちは、仕事だったり、地域活動であったり、それぞれのやり方で社会参加している。

その中でももっとも「難しい」のが重度の知的障害者や、重度の身体障害の人たちではないかと思われている。
この人達は、身辺の自立から誰かのサポートがないと生きていけない。
そこに税金も使われている。

施設の職員であった加害者が彼らのその終わることのない介護と、それをしたところで、この人達の幸せにつながっているのか、社会的になんの役割があるのか、そうした意義を見いだせないまま、「役に立たない人はいなくていい」と短絡的で身勝手に思い込んだことによってこうした事件が起こった。

しかし、この「役に立たない」という見方は、被害者の全く特殊な考えかたなのかと言えばそうではないように思う。
もしかしたら多くの人たちが(正直に言えば私だって)、「役には立たない」と思っていたのではないか。

そもそも役に立つ、立たないとは何を持っていうのか。
身辺自立ができないことを指すのか。
税金を使ってもその見返りがないということからくるのか。

しかしどれもこれは表面的な見方でしかないと思う。

クボタタケシの例をとろう。
久保田壮とは私の息子で、20歳になるが発語も、食事も、排泄も全く一人ではできない。それでいて多動で、強度の行動障害(こだわりがある)があり、いっときも目が離せない。障害の中でも最重度の人だ。
しかし、私は彼が、「何もできない」とは全く思えない。

確かに、人の介助がなければ片時も生きることができない人であり、公共な場所にも連れて行かれないほどの行動障害もある。
それでも彼の役割はある。

つまり、彼に触れた人たちは、
・こうした人たちが私たちと同じ社会に生きていること
・そして、何もできないと言われ、不幸だと思われてがちだが、本人たちは至って幸せそうに毎日を生きていること
・地位も、名声も、頭脳も何もないけれど、それでも人は幸せそうに生きることが可能なのかもしれないと言う思いを起こすこと
・自分のしたいことをし、好きなものにとことん集中し(入れ物に石を入れてカタカタと打ち鳴らすこと)、飽きもせず、ひたすらやり続けているさまは、むしろ私たち(健常と言われている私たち)のほうが、何かに追われ、不安を感じ、ビクビクしながら生きている。その事実を目の当たりにしてくれること
・どちらが本当に(現時点で)幸せなのか考えさせられてしまうこと
・そして、私たち側の、問題点を浮き彫りにする(私は何に怯えているのだろうか?不安なのか?など)

そうしたことに気が付かせてくれる存在としての、「役割」があるのだと私は思う。
そしてたけしに関して言えば、母親である私の人生を変え、レッツを起こさせ、障害福祉施設を作らせ、さらに次から次へと、テーマを提示する。
本人は「何もしない」のに、周りの人たちの人生をガンガンと変えていく。
まさに重い障害のある人たちというのは、「存在することがシゴト」だと思う。

確かに私はこうした哲学的な「問」が好きなタイプだし、人生を突き詰めて考えたい傾向にある。
殆どの人は、表層だけで付き合うことを望み、あまり深入りしようとはしない。
わけの分からない障害のある人に触れて、ざわざわすることを好まない人は多くいる。

しかし、人生はそんなに甘いものでもない。
どんな人の人生も、一生見たくないものに蓋をして生きていける程、簡単ではない。
突然病気になることもある。
突然理不尽な目に合うことだってある。
突然戦争に巻き込まれることだってある。
その時、人は困って初めて、人生や生き方を振り返る。

その時のためにも、私は彼らに出会っておくべきだと思う。
世の中にはわけのわからないことが起こるし、そうした人たちがいる。
その事実を、味わって、考えてみることは、なにか「気づき」になるかもしれない。
そこでの問答、エクササイズが、自分の知らない価値観を知り、取り入れる体力をつくる。

みることも触れることもしないで、ただただ「嫌う」のは違うのではないかと思う。
ああなりたくない、ああなったらおしまいだと思う気持ちも含めて、かわいそうだ、助けなければいけないではなく、普通に、対峙してほしい。
触れる、触る、体感すると言った生な体験が、もしかしたらあなたの全く新しい感覚が目覚めるかもしれない。

それが彼らの存在意義だと思う。

こっからは宣伝だが、
だからレッツでは、「タイムトラベル100時間ツアー」という観光事業を行う。
まさに触れて、感じて、体験して。
あなたに人生が変わるかもよ!
と誘っています。

ぜひ一度来てみませんか?
http://cslets.net/


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